M&A用語を徹底解説!小規模事業譲渡に関する専門用語辞典

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M&Aとは、合併や買収といった企業間取引のことを指します。この分野では、多種多様な用語が使われますが、初めてM&Aに触れる人には馴染みがなく難しいものが多いでしょう。そこで今回は、「小規模事業譲渡」に関するM&A用語を厳選し、専門用語辞典を作成しました。この辞典を参考にして、“売り手”“買い手”双方の視点からM&Aについて理解していきましょう。

もくじ

アセットパーチェス

「アセットパーチェス」とは、M&Aにおいて対象会社の資産を個別に買収する買収形態であり、対象会社の工場や従業員、ブランド等の資産をそれぞれ買い取ることを指します。この方法での買収には、必要のない資産を引き継がなくて済むメリットがありますが、手続き上は個々の譲渡財産ごとに個別に手続きが必要となります。売買契約書には、どのような資産を引き継ぎ、どのような条件で引き継ぐのかが明確に記述されている必要があります。アセットパーチェスにおいても、PMI(Post Merger Integration)が必要になります。

アーンアウト

アーンアウトは、M&A取引における対価の調整方法の一つです。売手と買手の間で事業計画などの将来見通しの相違などにより、希望譲渡対価の不一致が生じた場合に検討されます。この方法では、一括で支払うのではなく“分割払い”で行う取引契約が結ばれます。クロージング時における対価よりも、事業成果が実現した際の追加対価の割合が高く、買い手企業が売り手企業に対して一定条件を設定することで、リスクを分散することができます。アーンアウトは、小規模事業譲渡においても利用されることが多く、M&A用語の専門用語辞典には欠かせない言葉となっています。

株式譲渡契約書(SPA)

株式譲渡契約書、またはSPA(Stock Purchase Agreement)はM&Aに関連する最終契約書であり、株式譲渡のための条件や内容が明記されます。この契約書には、売買代金や支払い方法、株式の名義書換、表明保証内容、契約解除に関する条項が含まれます。SPAの成立には、双方の合意と売主と買主、そして立会人の署名と押印が必要です。また、SPAには注意すべき点があります。M&Aにおいて、小規模事業譲渡に関する専門用語を徹底解説する中で、SPAの重要性とその役割を理解することは欠かせません。

株主間協定

前節で紹介したM&Aに関する専門用語「株主間協定」について詳しく解説します。株主間協定は、複数の株主間である一定事項に関して取り決めることを指します。例えば、M&Aによって会社の経営権が移動した場合、会社の運営方針や人事に関する取り決めが必要となります。そのような場合に、株主間協定が結ばれます。これにより、売主や複数の株主がM&A後の会社の方針やルールについて合意し、円滑に事業を継続していくことが可能になります。株主間協定は、M&Aにおける重要な契約の一つであり、しっかりと取り決めることが成功につながるポイントとなります。

キャッチオール条項

キャッチオール条項は、M&A取引でよく定められる条項の一つである。事業譲渡に必要な投資情報を漏れなく提供することを売り手が買い手に対して保証する内容が含まれている。また、買収後に新たな問題が発覚した場合でも、その解決方法についての規定を含むことがある。キャッチオール条項は、買い手側のリスクを軽減する意味合いがあり、M&A取引においては重要な要素である。M&A用語辞典においては、その他にも多数の用語が紹介され、小規模事業譲渡における専門用語が詳細に解説されている。

クロージング

クロージングは、M&A取引において最も重要な手続きの一つである。これは、取引が実行されることを意味する。株式譲渡の場合には、譲渡会社から譲受会社へ株式が引き渡され、その代金が支払われる。事業譲渡の場合には、事業譲渡契約が完了し、売買代金が支払われる。この手続きが完了することで、M&A取引の有効性が法的に証明される。クロージングにはさまざまな工程が含まれ、準備や情報開示、手続きの流れなどが必要である。そのため、専門的な知識や経験が必要である。M&A取引においてはクロージングを迅速かつ正確に行うことが重要である。

スタンドアローン問題

スタンドアローン問題は、M&Aにおいて親会社や関係会社との関係が切れて独立会社となることで、売上・利益構造が大きく変化してしまう問題です。この問題がある場合には、買収対象会社の企業価値や収益力などに及ぼす影響を見極め、買収の価値があるのかどうかを慎重に判断することが求められます。また、スタンドアローン問題があると、買い手にとってM&Aのメリットを享受できなくなるため、気をつけることが必要です。このようなM&Aにおける用語や問題に詳しいアドバイザーの支援を受けることが、成功につながる重要なポイントとなります。前述のアセットパーチェスやクロージングなどの用語や、スタンドアローン問題も含め、小規模事業譲渡に関する専門用語を理解していくことが必要不可欠であり、M&A業務を行う上での知識を深めることが大切です。

チェンジオブコントロール条項

チェンジオブコントロール(Change of Control[COC])条項は、M&Aにより経営権が移転した場合の対応に関する条項です。これにより、取引先から得られる重要情報や技術の流出を防止することが可能となります。この条項があることで、買い手が経営権を取得しても、取引先が契約を破棄した場合、経営資源の喪失を防ぐことができます。ただし、この条項には注意点もあり、制限が厳しすぎると取引先から信頼を失う場合があるため、慎重に取り扱う必要があります。他のM&A用語と併せて理解しておくことで、円滑なM&Aを実現することができます。

トップ面談

トップ面談は、企業買収やM&Aにおいて、買い手と売り手の経営者同士が行う重要な会議です。この会議では、両者が相手企業や経営者について理解を深めることが最優先となります。数字だけでは見えない相手側経営者の人間性や経営理念を把握することが重要です。トップ面談前後のタイミングで、買い手が売り手に「意向表明書(LOI:Letter of Intent)」の書面を提出する場合もあります。企業買収やM&Aのプロセスにおいて、トップ面談は大きなターニングポイントとなります。

PMI

前の節で解説したM&Aの流れで最も重要なプロセスのひとつである「PMI:Post Merger Integration」について解説します。PMIとは、M&A後の統合プロセスのことであり、経営戦略、評価システム、情報システムなど、様々な要素をシナジー効果を最大化する形で統合することが必要です。この統合プロセスが適切に進められることで、M&A後の新会社の企業価値が向上し、買収にかかったコストの回収が早まります。PMIに取り組む場合は、トップ面談をはじめとするプロセスや、利益相反、PPA(Purchase Price Allocation)、クロージングなどの用語を理解し、専門家の支援を受けながら適切に進めることが重要です。

PPA

PPA(Purchase Price Allocation)は、M&Aにおいて非常に重要な役割を果たします。これは貸借対照表に掲載されていない無形資産を評価することを特徴としています。売買の対象外であるものであっても、将来性や技術力、人材などの無形資産の価値を算定し、買収価格を決定するために欠かせないものです。PPAは、事業譲渡や株式譲渡とともにM&Aの代表的な手法の1つです。そのため、小規模事業譲渡に関する専門用語辞典にも重要な項目として掲載されています。M&Aの過程でより正確な評価を行い、双方にとって公平な取引に導くために、PPAについて理解しておくことは欠かせません。

利益相反

利益相反は、M&Aにおいて多くのリスクを抱える問題の一つです。これは、取締役やM&A仲介業者が、自身や第三者の利益のために会社の利益を損なう取引を行うことで生じます。特に、M&A仲介業者が売り手と買い手の両方に契約を締結する場合、どちらかの利益を損なうことになります。利益相反を回避するためには、十分な情報開示や透明性を確保することが必要不可欠です。M&Aの成功には、利益相反への対応が欠かせません。

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