寄付をする文化と言うのは、どこにでもあるものです。
寄付には政策的な意図もあって、税金の恩恵を受けるような設計があります。
しかし、この寄付控除について、日本の所得税法で受ける場合には、きちんとその対象の団体に対して寄付をしているかどうかを確認する必要があります。
日本人の場合であればあまり気にしなくて良い論点かもしれません。
しかし、ノンジャパニーズの方にとっては、よく引っかかる点です。注意しましょう。
寄付控除の法律的な建付け
寄付控除の基本的な条文を見ていきましょう。
居住者が、各年において、特定寄附金を支出した場合において、第1号に掲げる金額が第2号に掲げる金額を超えるときは、その超える金額を、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
(所得税法 第78条 寄附金控除)
つまりは、特定寄付金に該当すると寄付控除がされます。
特定寄付金とはなんでしょうか。「特定寄附金」とは、国や地方公共団体、または公益性の高い法人などに対して支出した寄附金のうち、一定の要件を満たすものをいいます。個人が支出した寄附金の中でも、特に 公共のために役立つ目的に使われると認められた寄附金 が対象で、この支出額の一部を所得控除として差し引くことができます。
対象となる寄附金の種類
法律上、特定寄附金には主に次の4つの類型があります(所得税法第78条・施行令215~217の2)。
- 国または地方公共団体への寄附金
例:災害復興支援のための国や自治体への寄附、ふるさと納税など。
※ただし、寄附者がその見返りとして特別な利益(設備の専用使用など)を得る場合は除かれます。 - 財務大臣が指定した公益法人・団体への寄附金
公益社団法人、公益財団法人などで、次の要件を満たしたもの:- 寄附金の募集が「広く一般」に対して行われていること。
- 教育・科学・文化・社会福祉など公益の増進に寄与し、緊急を要する支出 に充てられることが確実であること。
指定を受ける団体は「財務大臣指定寄附金」として告示されます(例:日本赤十字社の災害義援金など)。
- 特定の法律により設立された公益的法人への寄附金
例:日本放送協会(NHK)、日本学生支援機構、国立大学法人など。
これらの法人の中でも、教育・科学・文化・福祉の向上など公益の増進に著しく寄与するとして政令で定められたものが対象です。 - 特定公益信託への寄附金
信託財産が公益目的(教育・文化・社会福祉など)に使われ、信託終了時に信託者へ財産が戻らない形態の「公益信託」も対象です。
たとえば「教育研究奨励のための基金」や「地域文化発展のための基金」などが該当します。
対象の団体について
なんとなく慈善団体に寄付したから、寄付ということにはできません。
そういうやり方は、実は租税回避でよく使われてきたからです。
名ばかりの慈善団体を作って、そこに寄付した際に、寄付控除が受けられてしまうと、課税逃れをしやすくなります。
寄付者において、その慈善団体のコントロールができる場合はなおさらです。
そのため、財務大臣の指定などや公益法人への寄付という必要があります。
公益法人は、日本の法律で規定されているものであり、日本以外の団体は、性質上満たした場合でも、該当がしないことがほとんどです。
限度額の計算
個人が特定寄附金を支出した場合は、「寄附金控除」として以下の算式で所得控除が受けられます。
控除額=(特定寄附金の合計額-2,000円)
ただし、控除できる特定寄附金の合計額には上限があります。
総所得金額などの 40% が限度です。
控除対象寄附金額=最小値(支出した特定寄附金の合計額,総所得金額等×40%)
具体例
例: 総所得金額が600万円の人が、日本赤十字社の指定寄附金として10万円を寄附した場合
- 限度額:600万円 × 40%=240万円(上限未満)
- 控除額:(10万円-2,000円)=9万8,000円
→ 所得税の計算上、課税所得から9万8,000円を控除できます。
寄附金控除の留意点
- 「ふるさと納税」もこの特定寄附金に該当しますが、別途「税額控除」による優遇制度が設けられています。
- 学校への寄附についても、入学・編入に関連する寄附は該当しません。
- 控除を受けるには、領収書や受領証明書の添付 が必要です。特定公益信託の場合は、証明書類も添付します。
まとめとして
Non-Japaneseの方で、寄付をたくさんされている方がいます。
確定申告書の作成所控除ができるかどうか聞かれることが多いのですが、実際ほとんどが該当しないことがあります。
寄付を中心に考えれば、税金が控除されるかどうかは、中心的な事柄では無いかもしれません。
しかし、確定申告の際の分別として、外国の団体に対しての寄付は寄付控除に該当しない可能性が高いことを留意しておきましょう。




