銀行は預金が増えても喜ばない時代になっている

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執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2021年3月9日

2021年3月9日

当然の内容といえば、当然の内容ですが、銀行は預金が増えても喜ばない時代になりました。

お金を貸す・貸さないでも一昔前と雰囲気が変わったように、

「預金口座を解約するぞ」とか、「定期預金を解約するぞ」というのは、それほど響かない時代になったと感じます。

相手のルールを理解することの大切さを改めて痛感します。
銀行が預金を喜ばなくなったことについて、改めて考えてみましょう。

 

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*今のしごとはなくなりつつある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

預金口座解約は銀行員にとって不都合か

昔からそうですが、銀行員に腹が立って預金を解約した話が出てきています。

不遜な銀行員の態度に怒り…直後に「すごい金額」の預金解約

タレントの上沼恵美子が7日、読売テレビ「上沼・高田のクギズケ!」に出演し、失礼な態度を取った銀行員に怒り、即座に預金を解約したことを明かした。

 

銀行員にとって、預金の解約は不都合とだというのが一般的な理解です。

何か不都合な態度を銀行の方がとったときに、そのサービスに対する不利用を訴えることで抗議をするのが一般的ですよね。

それくらいしか、相手に対して何かをすることはできないですし、順当な態度の示し方です。

しかし、今現在本当に預金口座の解約が銀行の方にとって辛いのかは疑問です。

 

銀行が喜んで預金を増やしたていた背景

一昔前に、銀行が喜んで預金を増やしていたのは、預金が増えると銀行への収入が増えるという背景があったからです。

まずは、この背景を確認してみましょう。

 

銀行は当然、家計や企業からお金を預かります。

そして、ルールがあり、この預かったお金の一部は日銀に預けなければなりません。
いわゆる日銀当座預金と呼ばれるものです。

日銀当座預金について、通常預けて置かなければならない金額(法定準備額)と、それを超える額(超過準備額)があり、超過準備額には、金利がつきます。

ここでいう金利は、日銀が預け入れてくれた銀行に支払うものです。

一般の銀行が日銀に多くの資金を預けるほどに、一般の銀行が受け取る利子も増えます。

だから、銀行は預金を増やしたいという行動に至るわけです。

しかし、最近はルールが変わり銀行が損をする場面が出てきます。

 

日銀への利払いが増えて銀行が損をする時代

いわゆるマイナス金利と呼ばれるものが、銀行が損をする仕組みです。

上記で出てきた超過準備額に対する金利をマイナスにする政策が行われてしばらく経ちました。

金利がマイナスですから、銀行が日銀に預けたお金が多ければ多いほど、日銀から銀行へのマイナスの利払いが増えます。つまり、銀行から日銀に利払いが発生することになります。

 

よくよく見直せば、預金が増えると銀行が損をする時代となっているのです。

さすがに一般の家計や企業に対してマイナスの金利を銀行がつけるということには至っていません。しかし、超低金利で、預金をしても全く金利がつかないことは目の当たりにしているはずです。

また、預金口座の維持に対して手数料を取るというニュースも見かけます。

今までは無料だった通帳作成に対してお金を取ったり、口座の維持管理手数料を取るというニュースを見かけたりします。

銀行は、家計や企業からもらっている預金を減らしたいという欲求を少しずつ示している状態です。

 

銀行内の成果尺度に合っているか

銀行員の評価にこの預金を減らしたいという昨今の銀行の欲求がマッチしているかは、少し別の話なので補足をしておきます。

銀行の営業の方に対して、銀行はノルマを課します。
そのうちには、預金を増やしましょう、口座数を増やしましょうというものも入ることがあります。

さすがに最近は上記の背景もありノルマに入らなかったとしても、以前は入っていたはずです。
また、銀行がお金を預かりすぎると損をするとしても、預金がゼロになってしまっては商売が立ち行かなくなります。

丁度いい量を預けてほしいという、なにやらあいまいな基準が課せられる状況です。

 

また、銀行員の評価といっても、窓口の方、営業の方、審査の方、貸付担当の方・・・などなど、部署部署によって評価される項目と、全く関係がない項目が存在するでしょう。

平たくいえば、一般の預金者に対して不遇な対応をとっても全く困らない部署の方が多数存在するということです。

預金を取るべしという銀行営業の方の基本的行動原則は、今までほどに当たり前の基準ではないようです。

 

改めて、銀行は預金を喜ぶか

これらの前提を持って見れば、銀行は預金を喜ばない時代になったといえます。

「口座解約をして困るでしょう」というのは一昔前の話であって、口座解約をされたらもしかしたら銀行の方は喜んでいるかもしれません。
そこまで激しく、「預金は要りません」とは言えないのは、全ての口座を解約されて支払えなくなるような取り付け騒ぎが起きると困るからです。
でも、そこまで銀行は預金がほしくないのでしょう。

「口座を解約するぞ」というセリフは、今までほどに意味を持たない時代になったと感じます。

 

【編集後記】
新しいテーマの書式にまだちょっと慣れないですね。
書きやすい形に早めにカスタマイズしたいです。

【運動記録】
ストレッチ○ 筋トレ○ サプリ○

【子育て日記(3歳・0歳)】
効率化と子育てとは、なかなか両立しないものです。
それでも、子どもの周辺の事項については効率化を図りたいところ。

できるところから少しずつ取り組みます。

 

 

 

 

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