遺産は、法定相続に従って分けないといけない?

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執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2024年1月20日

遺産は、法定相続に従って分けなければならないというものではありません。法定相続は、相続人の順位や権利を決定する法律ですが、遺産分割方法は個別の状況に応じて変化します。遺言書を作成し、配偶者や子どもなどの特定の相続人に対して遺産を指定することも可能です。また、相続税などの要素も考慮しながら、適切な遺産分割方法を選択することが重要です。

ポイント

  • 遺産は法定相続に従って分ける必要はない。
  • 遺言書を作成し、特定の相続人に対して遺産を指定することも可能。
  • 相続税などの要素も考慮しながら遺産分割方法を選択する。
  • 専門家の助言を受けながら、遺産分割の取り決めをすることが重要。

法定相続とは

法定相続とは、相続人の順位や権利を決定する法律のことです。遺産は、法定相続に従って分ける必要はありませんが、法定相続は相続人の権利を保護するものです。配偶者や子どもなどの家族が優先的に相続人として考慮されます。法定相続は、特に遺産分割方法が決まっていない場合に適用されます。しかし、遺言書から明確な意思を示すことで、法定相続は変更されることもあります。遺産分割に関する具体的なルールや相続税の取り扱いは、個別の状況によって異なるので、専門家と相談することが重要です。

相続人の順位

相続人の順位は、法定相続において重要な要素です。

配偶者の権利

法定相続において、配偶者は特別な地位を持ち、相続財産の半分を受け取る権利を持ちます。配偶者の権利は、子どもがいる場合でも変わりません。つまり、配偶者は相続財産の半分を受け取る権利を持ちます。ただし、一部の場合では、子どもに一定の遺産分けが認められることもあります。配偶者が相続財産を受け取る権利を行使するためには、相続人の中で最も優先され、相続人の順位に基づいて手続きを行う必要があります。

子どもの権利

子どもは法定相続において、特別な権利を持っています。子どもがいる場合、配偶者と同等の権利を有し、相続財産の半分を受け取ることができます。ただし、子どもの数が複数いる場合は、相続財産の半分を子供たちで均等に分けなければなりません。

遺言書の効力

遺言書は、遺産分割を行う際に重要な役割を果たしますが、その効力には一定の条件があります。まず、遺言書は本人の意思で作成され、正式な手続きが取られる必要があります。また、遺言書には明確な文言や署名が必要であり、特定の要件を満たさなければなりません。遺言書の効力を確保するためには、公正証書遺言や自筆証書遺言の作成を検討することが重要です。遺言書は法定相続に優先されることがありますが、遺産分割を円滑にするためには、効力の確保が必要です。

遺言書の作成方法

遺言書を作成する際には、いくつかの方法があります。まず、公正証書遺言を作成する場合は、公証役場で専門家による公証人の立会いのもとで作成します。公証役場では、遺言書の作成や内容に関するアドバイスを受けることもできます。一方、自筆証書遺言を作成する場合は、自身で手書きで遺言書を作成します。遺言書には、宛名や日付、具体的な財産内容、相続人の指定などを明確に書き記すことが重要です。記載内容がはっきりしているほど、遺言書の効力は高まります。

遺言書の内容と制限

遺言書は、自由な内容で作成することができますが、一部制限があります。例えば、遺言書で遺産の一部を遺留することはできますが、生活保護や債務の返済などの必要経費を積み上げるようなことはできません。また、相続の範囲に関しては法定相続との整合性を保つ必要があります。さらに、遺言書は不記名証書として作成することが望ましいですが、特定の相続人に対してのみ開示する秘密遺言書として作成することも可能です。

相続税の対策方法

相続税の対策方法は、遺産の価値を最小限に抑えることが重要です。以下に相続税の対策方法を紹介します。

  1. 贈与: 毎年の控除額があり、生前に贈与することで一度に相続する遺産を減らすことができます。
  2. 生前贈与の制度活用: 生前に贈与する際には、相続税の非課税枠や控除額を活用することができます。
  3. 税務制度の活用: 住宅の評価減など、相続税を軽減することができます。

これらの対策方法を活用することで、相続税を節税することができます。しかし、個々のケースによって最適な方法は異なるため、税理士や弁護士に相談することをおすすめします。

相続税とは

相続税とは、相続人が遺産を相続する際に課される税金のことです。日本では、相続税は法定相続人によって受け継がれる財産の価値に基づいて課税されます。相続税の税率は、相続人の続柄や相続財産の価値によって異なり、高額な遺産を相続する場合には相当な税金を支払う必要があります。しかし、相続税の対策方法を活用することで、税金を節税することができます。税理士や弁護士のアドバイスを受けながら、適切な対策を行いましょう。

相続税の計算方法は、相続財産の価値に基づいて行われます。まず、相続財産全体の合計額を算出し、その後、合計額から相続人の中で最も近しい親族の相続分を差し引きます。差し引いた金額には、相続税の税率を適用して算出された税金を支払う必要があります。ただし、相続財産には非課税枠や控除額があり、これらを活用することで相続税を節税することも可能です。相続税の計算には専門の知識が必要なため、税理士や弁護士のアドバイスを受けることが重要です。

相続手続きの流れ

相続人の確定

相続手続きの最初のステップは、相続人の確定です。相続人の確定には、戸籍や家系図の確認などが必要です。まず、死亡した人の配偶者や子どもなど、法定相続人の順位を確認します。もし、法定相続人がいない場合は、遺言書の存在や遺産相続契約があるかどうかも確認します。相続人が確定したら、その人々に通知をし、次のステップに進む準備をします。

財産の評価と分割

相続手続きの次のステップは、財産の評価と分割です。相続人が確定したら、遺産の評価が行われます。これには、不動産、預金、株式、保険などの財産の評価が含まれます。次に、財産を相続人に分割します。相続人が複数いる場合は、分割方法や割合を決める必要があります。分割は協議によって行われることが一般的ですが、合意に達しない場合は、裁判所の調停が必要となる場合もあります。財産の評価と分割は、公正かつ公平な手続きを行うために重要です。

裁判などが必要な場合は、弁護士に依頼する必要があります。交渉には時間も費用もかかります。

取り立てて揉め事がない場合で、一定以上の財産がある場合、税理士に依頼して相続税を計算することになります。

まとめ

遺産を法定相続に従って分ける必要はありませんが、相続人の権利を尊重するためには適切な手続きが必要です。相続人の順位に従って遺産を分けることが基本ですが、遺言書を作成することで自分の意思を明確に表すこともできます。相続税の対策も重要であり、計画を立てることで相続税の負担を軽減することができます。相続手続きの流れを理解し、財産の評価と分割を公正かつ公平に行うことが重要です。さまざまな状況に応じて遺産分割方法を選択いたしますので、ご検討している方はぜひお問い合わせください。

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