所得税、住民税の他に個人事業主が納税する必要があるものに、個人事業税があります。
今回は、個人事業税についてまとめてみました。
誰が納めるか
個人主のうち、70種類の法定業種のどれかに該当すると、納税義務があります。70種類としていますが、ほとんどの事業が該当します。
都道府県とのやりとり
多くの場合、個人事業を始めた翌年の後半に、都道府県から事業内容に関するアンケートがきます。その回答次第で、納税するかどうかが決まります。といっても、実体と異なる内容が書けるわけではないです。正直に回答し、該当業種であれば、納税する必要があります。
計算方法
課税所得から290万円を引いて、そこに税率(3-5%)をかけて計算します。
所得税と違うのは、
- 青色申告特別控除や専従者給与を引けないこと
- 課税控除として290万円/年を引く(290万円以上あれば、納税額が発生する。事業月が12未満の場合は、控除がが変わります。)
納税時期
通常であれば、8月末と11月末の2回に分けて支払いをします。
ただし、初年度は、遅れて課税される事が多く、アンケートに回答した後2月後くらいに、一括して請求されることが多いです。
対象業種
事業税には「第1種〜第3種」の区分があり、業種によって税率が異なります。この表では、地方税法・都税条例に基づく代表的な業種をまとめました。
以下に対象業種と税率を記載します。なお、プログラマーは、この課税の対象外になることが多いです。
◆ 第一種事業(37業種・税率 5%)
主に、物品販売・運送・製造・飲食・旅館・広告・不動産関連などの
いわゆる「一般的な営利事業」が対象です。
【第一種事業:37業種】
- 物品販売業
- 保険業
- 金銭貸付業
- 物品貸付業
- 不動産貸付業
- 製造業
- 電気供給業
- 土石採取業
- 電気通信事業(放送事業を含む)
- 運送業
- 運送取扱業
- 船舶定係場業
- 倉庫業
- 駐車場業
- 請負業
- 印刷業
- 出版業
- 写真業
- 席貸業
- 旅館業
- 料理店業
- 飲食店業
- 周旋業
- 代理業
- 仲立業
- 問屋業
- 両替業
- 公衆浴場業(第三種事業以外のもの)
- 演劇興行業
- 遊技場業
- 遊覧所業
- 商品取引業
- 不動産売買業
- 広告業
- 興信所業
- 案内業
- 冠婚葬祭業
税率:5%
◆ 第二種事業(3業種・税率 4%)
主に「第一次産業を中心とした生産系の事業」が該当します。
【第二種事業:3業種】
- 畜産業
- 水産業
- 薪炭製造業
税率:4%
◆ 第三種事業(30業種・通常税率 5% / 一部 3%)
医療・士業・専門サービスなどの「人的役務の提供」を中心とした事業が対象です。
【第三種事業:30業種】
- 医業
- 歯科医業
- 薬剤師業
- 獣医業
- 弁護士業
- 司法書士業
- 行政書士業
- 公証人業
- 弁理士業
- 税理士業
- 公認会計士業
- 計理士業
- 社会保険労務士業
- コンサルタント業
- 設計監督者業
- 不動産鑑定業
- デザイン業
- 諸芸師匠業
- 理容業
- 美容業
- クリーニング業
- 公衆浴場業(銭湯)
- 歯科衛生士業
- 歯科技工士業
- 測量士業
- 土地家屋調査士業
- 海事代理士業
- 印刷製版業
- あん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業
- 装蹄師業
【税率(第三種)】
- 通常:5%
- 以下の事業については 3%
- あん摩・マッサージ・指圧
- はり・きゅう
- 柔道整復
- その他医業に類する事業
- 装蹄師業
◆ 補足
不動産貸付業・駐車場業の取扱いには細かい認定基準があります。
アンケートには落ち着いて応えよう
アンケートフォームが来ると、なにか納税義務を忘れていたのではないかというように感じることがあります。しかし、そうではなくて、きちんと課税関係を確認するために、行っています。注意して回答しましょう。




