【日本の税金・接待交際費の基本】贈答品・福利厚生費・広告宣伝費を例として

日本の税金制度は複雑で、その中でも交際費に関するルールは多くの人にとって難解で頭を悩ますものです。よく出てくるのは、交際費です。

交際費について、業務上の付き合いや接待をする際にどれだけの費用が計上できるのか、またどのような項目が対象になるのかは把握が甘いと税金問題に巻き込まれることも。

この記事では日本での交際費の基本ルールの基本をわかりやすく解説し、ビジネスシーンでお悩みを解決するためのヒントを提供します。

税金と交際費の基本事項

日本の税金制度では、事業を運営する上で必要な費用の一部が経費として損金算入されます。その中でも重要な要素の一つが「交際費」です。交際費とは、具体的には会社の経営を円滑に進めるために必要な費用で、取引先との付き合いや交渉のために支払われるものを指します。しかし、交際費は法人と個人では取り扱いが異なり、範囲や制度が複雑なものとなっています。

交際費は、取引先の関係者に対して支出する費用に接待費も含まれます。交際費(Social Expense)と接待費(Entertainment Expense)の区別が難しい場合があります。全体を接待交際費(Entertainment Expense)として処理することが一般的です。しかし、何でも交際費として計上してしまうと、後に問題が生じることもあるため注意が必要です。また、交際費は取引先だけでなく、会社内の従業員に対しても支払われることがあります。例えば、会社の周年記念や宴会費用、従業員を旅行に行かせる費用などが含まれることもあります。

交際費は、資本金が１億円以下の企業では年800万円までは、損金にできます。また、個人であれば、必要な内容であれば、これも損金に入れることができます。正確な経費計上や節税対策を行うためには、税法の理解や適切な会計処理が重要となります。原則的には、交際費は基本的に損金に算入できないのですが、上記のような800万円までなどを使って、多くの個人事業主や法人は、損金に算入をしています。

税務上、交際費とは？

税務上の交際費を考えるには、他の費用と分けるといいでしょう。接待や慰安、贈答などにかかった費用が交際費のくくりです。取引先だけでなく、役員であったり従業員であったりなど、相手先によっても変わってきます。

贈答品との境界

取引先に手土産を持っていくとします。その場合、交際費で処理をします。

これが従業員の記念祝の場合は、交際費でなく福利厚生費で処理できます。ただし、きちんとルール化していることが大切です。気まぐれで優遇した場合は、交際費扱い、あるいは、そもそも会社の経費として認められない可能性もあります。

では、取引先でも従業員でもいいのですが、交際費として高級腕時計を提供したらどうでしょう。33万円とします。そもそもそれを会社や個人事業主の費用として扱うことが妥当でしょうか。個人の費用ではないでしょうか。というこで、税務調査で交際費からも否認される可能背が高いです。

福利厚生費との境界

慰安旅行の費用は、福利厚生費で処理ができます。では、会社30人がいるのにもかかわらず、部長ら5人だけで旅行に行ったら、これも慰安旅行として福利厚生費なのでしょうか。この場合は、特定の誰かだけを優遇しているとして、福利厚生費から否認されます。そして、接待交際費として扱われるのです。

広告費との境界

先程の旅行について、消費者向けに旅行特典をつける場合もあります。この場合接待交際費ではなく、広告宣伝費として処理することが可能です。

このように、税務上の扱いはさまざまです。

交際費の仕訳について

交際費の仕訳は通常だとこのようになります。

会食の場合の接待交際費は、参加者を書いておきましょう。誰が参加し、そして合計人数がどうなっているかです。税務上の控除が使えるので、メモをしておくといいです。

接待交際費が損金不算入になる理由

もともと、接待交際費は経費に入っていました。しかし、いくらでも使うことで節税が削減されるということで、今回ご紹介した交際費が損金不算入が作られました。

しかし、現場として小さな企業は接待交際費という項目もよく使われており、一律に税金の否定をすることはどうかという話がありました。結果、一部は、経費に認められることになりました。

ルール上は分かりますが、一般の人にとっては難しく感じる仕組みになっています。判断に迷ったら、ぜひご相談ください。