暗号通貨の2026年改正でも、非永住者の税金計算が手放しに簡単にならない理由

執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2026年1月19日

2026年1月19日

暗号通貨の所得税改正と移住

今や、暗号通貨は、一般の人にとっても投資をする選択肢の1つです。投資を始めた人と話すと、暗号通貨の動きが思ったよりも激しいと言うように感じます。

肌感覚として、投資の対象になっています。

値動きが激しいので、損をすることもちろんありますが、全体的な上がり傾向を見ると、売買は進む方向でしょう。

日本へ移り住む人にとって、現状の制度により節税ができる場合もあれば、課税されてしまう場合も出てきます。全体的には、すでに手元にお金を持っていって、その上で暗号通貨の売買をするような人は、節税対策をしやすいなという感じです。

暗号通貨の課税の改正予定

税率が下がる可能性

それほどまでに一般にあった暗号通貨に対し、所得区分が変わる可能性があります。これは、暗号通貨が一般的な投資の1種になっていることに起因することでしょう。

税率は20.315%になります。10.315%の所得税と、5%の住民税といった内訳です。
この方式が通れば、日本人の暗号通貨取引については、売買がかなりしやすくなるはずです。

いつから下がるか

これにより、2027年1月1日から暗号通貨の所得区分が譲渡所得に変わる可能性が高いです。

法律の立て付けとしては、2026年に法案提出がされます。そして、法案提出がされた翌年の1月1日以降に、効力が発生する予定です。

非永住者における取り扱い

課税範囲の課題は残る

非永住者における暗号通貨の取り扱いについて、これらの税率もさることながら、一番の問題は、国内源泉所得に入るかどうかという点でした。また、送金に当たる場合もよく見られます。

意図せずして、国内源泉所得や送金に当たることで、課税がされる永住者について、新しい法案が通ったとしても、計算が簡単にはなりません。

そもそもの前提整理が必要です。

国内業者の縛り?

また、国内業者を通じていなどの制限がある場合には、新しい法案がうまく働かない可能性があります。

例えば、株式の損失を年を超えて通算する場合、日本の金融業者という縛りがあります。
暗号通貨において損失繰越をする場合にも、同様の縛りがでてこないでしょうか。

分離課税の良さ

分離課税として申告できれば、意図しない住民税や社会保険の増加を避けられる可能性はあります。
住民税のほかに、社会保険料がかなり上がってしまうのを避けられると、嬉しいと感じる人は多いのではないでしょうか。

一方で、分離課税の課税所得を将来的に算定に含められる点は、ずっと議論されています。
今後の動きを見守るべき点です。

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