予定納税という名前で、年の途中で所得税を納めるように求めてくることがあります。
これは、結構負担感があります。
しかし、どういうときに求められるのでしょうか。
負担は増えるばかりなのでしょうか。
求められた金額を払って終わりなのでしょうか。
予定納税についてまとめてみますので、一緒に理解を深めてみましょう。
予定納税とは?
個人事業主やフリーランスの方の中には、毎年7月頃になると税務署から「予定納税額」の通知が届く方がいます。
予定納税とは、前年の所得税額を基に、その年の所得税の一部を前払いする制度です。
前年の所得税額を基に予定納税額が計算され、一定額以上になると予定納税の対象となります。
一般的には、前年の所得税額を基に第1期分・第2期分の予定納税額が計算されます。なお、厳密には「予定納税基準額」という金額を基に判定・計算が行われます。
これは、今年の所得税を翌年の確定申告でまとめて納めるのではなく、一部を先に納付する仕組みです。
「先に」なので、後でその部分は引かれます。
予定納税は負担だけ?
予定納税額は前年の所得を基に計算されるため、今年の状況が大きく変わっている場合でも、前年と同じような金額が通知されます。
なので、売上の減少、利益が減るなどあると、負担感が多いです。
顧問の方にも、備える必要に応じて、翌年の負担をお伝えすることがあります。
しかし、負担が増えるだけではありません。
例えば、翌年の確定申告で納税額が200万円と計算されたとして、予定納税の合計額が140万円とします。
この場合は、翌年3月15日までに納付する最終金額は60万円(200万円ー140万円)となります。
あくまで前払いの性質を持ちます。
しかし、前払い以上に全体の利益が下がる場合はどうでしょうか。
実は、減額申請が可能です。
どのような場合に減額申請ができる?
減額申請は、「資金繰りが苦しいから」という理由だけで認められる制度ではありません。
その年の所得や税額を見積もった結果、実際の所得税額が予定納税額より少なくなる見込みがある場合に申請できます。
例えば、次のようなケースが考えられます。
- 売上や利益が前年より大幅に減少している
- 事業を休業・廃業した
- 大きな損失が発生している
- 所得控除の増加などにより税額が下がる見込みである
申請の際には、売上や経費の状況などを基に、その年の所得税額を見積もる必要があります。
ですから、日頃から記帳を進めておくと、減額申請の際にも所得の見込みを立てやすくなります。
帳簿が遅れていると、申請の判断自体が難しくなることもあります。
申請期限はいつ?
予定納税額の減額申請には期限があります。
まず、予定納税の納期を見てみましょう。
予定納税額は、前年の全体の税額の3分の1の金額を、第1期分および第2期分として2回納付することとなります。
(農業の方で異なる方もいます。)
第1期分および第2期分の納期は以下のとおりです。
●第1期分はその年の7月1日から7月31日まで
●第2期分はその年の11月1日から11月30日まで
これらについて、減額申請を行えますが、それぞれ期限が異なります。
- 第1期分・第2期分を対象とする場合:原則7月1日から7月15日まで
- 第2期分のみを対象とする場合:原則11月1日から11月15日まで
通知が届く前に確認しましょう
期限を過ぎると、その期分について減額申請ができなくなるため注意が必要です。
特に7月に通知を受けて急に業績悪化を意識する方もいます。
6月くらいには、業績の具合を確認しておきたいものです。
予定納税の通知が届くかは、実は確定申告書を見るとわかります。
予定納税の欄を見ておきましょう。
そして、前年より大きく所得が減る見込みであれば、減額申請ができる可能性があります。
一方で、申請をしないまま納付しない場合は、延滞税などが発生することもあります。
「利益が減っているから払わなくてよい」と自己判断するのではなく、減額申請の対象になるかどうかを早めに確認することが大切です。
予定納税は「前払い」が原則ですが、実際の所得が大きく減る見込みであれば、その事情を反映できる制度も用意されています。
支払い能力を超える場合には、減額してくれる制度がきちんとあります。
今年の業績が前年より悪化している場合には、予定納税額の減額申請ができる可能性があります。
申請には期限があり、所得が減少する見込みを示す資料も必要です。予定納税の通知が届いたら、そのまま納付する前に、現在の事業状況に照らして減額申請の対象となるか確認してみることをおすすめします。




