外国人の個人事業主であっても、小規模企業共済に加入できるか

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執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2023年5月1日

2023年8月23日

外国人の個人事業主であっても、日本で小規模企業共済に加入可能です。 この制度は、事業主自身やその家族を補償するための保険や退職金の性質を持っています。

勤めをしていれば、その退職金制度がありますが、個人事業主の場合はそういった積立の制度がないことがほとんど。そのため、万一を補うための制度が小規模企業共済です。そして、小規模企業共済は、日本で事業を行っていれば、国籍に関係なく加入することできます。

小規模企業共済とは何か

小規模企業共済は、中小企業の経営者、役員、個人事業主などが加入対象とする退職金制度です。国の機関である中小機構が運営しており、漠然とした老後の不安を抱えている方にとっては、安心して老後を迎えるための手段の一つとして注目されています。

お金は、ある方でも不安な要素が強いです。そして、その不安を払拭するためにも用途を分けてきちんと貯めておく、用意しておくことが必要でしょう。ここでポイントなのは、その用途の性質を自分で帯びさせられるかです。

「お金に色はない」と言われることがあります。その通りなのですが、自分で色を分けて持っておくことができるのが、この小規模企業共済の良いところでしょう。

なお、掛金は所得控除されます。そのため、節税効果があります。運用益が高くなくても、この時点で毎年の税金を考えてお得です。また、加入後でも掛金を自由に増減することができます。経済状況に合わせて選択的に利用可能です。

小規模企業共済はどのように運営されているか

小規模企業共済は国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営しており、年金制度と異なり、給付金制度ではなく、加入者の掛金を積み立てて退職金や死亡保障金を支払う先立ち制度となっています。中小機構は小規模企業共済の運営にあたり、積極的に普及啓発活動を行っているので、よく聞くところです。

しかし、英語でのホームページの情報提供はほとんどなく、組織の紹介にとどまっていました。そのため、この制度を知らない人がいるのもうなずけます。

小規模企業共済の加入条件は何か

小規模企業共済に加入する条件は、個人事業主、会社役員、共同経営者であることです。また、加入対象となる業種は建設業、製造業、運輸業、宿泊業、娯楽業、不動産業などです。

では、外国籍の方が加入しようとする場合、なにが必要でしょうか。それは、以下のいずれかです。

  • 確定申告書の提出控え
  • 開業届

昨年以前からすでに事業所得を得ているのであれば、確定申告をされているはずです。税務署から返ってきた確定申告書の控えと、給料がないことの証明をした上で、申込みが可能です。また、今年から事業所得を得ているのであれば、確定申告はまだのはずです。その場合は、開業届の写しを提出することなどから、申込みを開始していきます。

外国籍の個人事業主が小規模企業共済に加入するのに手続きはどうするか

外国籍の個人事業主が加入を希望する場合には、先程の確定申告書(または開業届)の他に、契約申込書、預金口座振替申出書が必要です。その他の書類は、求めに応じて提出していきます。

また、意外と問題なのが、振替ができる口座を持っているかです。ゆうちょ銀行やインターネット銀行では取り扱いができません。日本人であってもここでひっかかって申込みができていない人を見かけます。小規模企業共済の加入申込み手続きは中小機構が業務委託契約を結んでいる委託機関または金融機関の窓口で行うことができます。手続きを行う窓口によって手順が異なるため、事前に確認することが必要です。

注意して進めていきましょう。

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