個人事業主が納税する、個人事業税

執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2025年12月1日

2025年12月1日

所得税、住民税の他に個人事業主が納税する必要があるものに、個人事業税があります。

今回は、個人事業税についてまとめてみました。

誰が納めるか

個人主のうち、70種類の法定業種のどれかに該当すると、納税義務があります。70種類としていますが、ほとんどの事業が該当します。

都道府県とのやりとり

多くの場合、個人事業を始めた翌年の後半に、都道府県から事業内容に関するアンケートがきます。その回答次第で、納税するかどうかが決まります。といっても、実体と異なる内容が書けるわけではないです。正直に回答し、該当業種であれば、納税する必要があります。

計算方法

課税所得から290万円を引いて、そこに税率(3-5%)をかけて計算します。

所得税と違うのは、

  • 青色申告特別控除や専従者給与を引けないこと
  • 課税控除として290万円/年を引く(290万円以上あれば、納税額が発生する。事業月が12未満の場合は、控除がが変わります。)

納税時期

通常であれば、8月末と11月末の2回に分けて支払いをします。
ただし、初年度は、遅れて課税される事が多く、アンケートに回答した後2月後くらいに、一括して請求されることが多いです。

対象業種

事業税には「第1種〜第3種」の区分があり、業種によって税率が異なります。この表では、地方税法・都税条例に基づく代表的な業種をまとめました。

以下に対象業種と税率を記載します。なお、プログラマーは、この課税の対象外になることが多いです。

第1種事業(37業種:税率 5%)

物品販売・運送・飲食・旅館など、一般的な営利事業が中心です。

区分 税率 主な事業
第1種事業(37業種) 5% 物品販売業/運送取扱業/運送業/旅館業/料理店業/飲食店業/遊覧所業/遊技場業/保険業/電気通信事業/ 船舶定係場業/駐車場業/倉庫業/商品取引業/金銭貸付業/不動産売買業/不動産貸付業/請負業/代理業/ 仲立業/周旋業/広告業/製造業/印刷業/電気供給業/出版業/問屋業/物品貸付業/土石採取業/写真業/ 両替業/興信所業/案内業/席貸業/冠婚葬祭業/公衆浴場業(むし風呂等)

第2種事業(3業種:税率 4%)

畜産・水産など、第一次産業の一部が対象です。

アンケートには落ち着いて応えよう

アンケートフォームが来ると、なにか納税義務を忘れていたのではないかというように感じることがあります。しかし、そうではなくて、きちんと課税関係を確認するために、行っています。注意して回答しましょう。

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