日本における税理士とは、なんでしょうか?弁護士や会計士とどう違うのでしょうか。
税の専門家を置いている国は、ドイツ、オーストラリア、韓国、中国、そして日本です。多くの国では弁護士や会計士がその仕事を担っています。
しかし、日本では、国民の皆様から企業まで幅広く、税理士が税に関する専門的なアドバイスやサポートを提供しています。では具体的に、弁護士や会計士といった他の専門職と何が違うのでしょうか?この記事では、日本の税理士に関する基本情報と、その役割、そして弁護士や会計士との違いについて詳しく解説していきます。
税理士とはどんな資格なのか?
税理士とは、日本の国家資格のひとつで、税務に関する専門家です。公認会計士と同様に、お金に関わる仕事をする士業というイメージです。公認会計士は、過去の流れから税理士として登録することも可能です。そのため、公認会計士と税理士の両方の肩書きで仕事をしている人もいます。しかし、公認会計士と税理士はそれぞれ公認会計士法、税理士法という異なる法律によって規定されている国家資格です。その専門も組織も違います。また、それぞれ独自の業務範囲が設けられています。
公認会計士の顧客は、株式を市場に上場している企業やこれから上場しようとする企業です。これに対して、税理士は、街のスモールビジネスを行っている個人から、非上場の企業まで多くを対象としています。税理士の業務範囲は主に税務に関するものです。日本では無償であっても、税金の相談を受けるためには税理士資格が必要です。税理士の税務相談は独占業務と言われるゆえんです。具体的には、税務書類の作成や税務代行もその仕事の範囲に入っています。
税理士になるためには、超難関国家試験である税理士試験に合格する必要があります。日本の3大資格は、医師・弁護士・公認会計士と言われることがあります。しかし、税理士「量」の難易度が高いとされていることや、実質的に相対評価で合格が近年難しくなっていることから、公認会計士の資格を取得してから税理士を目指すという方もいます。
アメリカの弁護士・会計士の仕事領域と日本の税理士の仕事の比較?
アメリカと日本では、弁護士や会計士の仕事の範囲が異なります。アメリカの方が、税理士の仕事をイメージするのは難しいかもしれません。というのも、その仕事が別の資格に包括されているからです。
アメリカでは、弁護士は主に法律全般に関する業務を担当し、会計士は財務報告や会計監査などの業務を担当します。税金の相談について、アメリカでは弁護士が担当しているということも多いです。しかし、日本ではこれら2つの職種に税理士というものが加わり、税務に関する業務が税理士の独占領域となっています。
アメリカの弁護士の主な仕事内容を確認しましょう。それは、法律相談や訴訟代理、契約書の作成や査定などです。一方、アメリカの会計士(CPA)の業務は、主に企業の財務報告や会計監査、税務申告業務などが含まれます。アメリカの会計士は税理士の役割も兼ねています。
このうち、日本では税金に関する法律相談や訴訟代理の一部、企業の財務報告の確認や税務監査、税務申告業務は税理士の仕事になっています。こういった領域の違いが存在するのです。
日本の税理士の仕事内容とは?
日本の税理士の仕事内容は、主に税金に関する業務に携わることが多いです。中小企業や小規模事業者からの依頼を受けることが一般的であります。具体的には、「税務書類の作成」「税務代理」「税務相談」が主な業務といわれます。
まず、「税務代理」とは、税に関する業務を依頼者に代わって行う仕事のことを指します。主に、個人や企業の税務処理や税金の計算、税金の納付や還付、税務申告などの手続きを代行しています。また、税務調査や税務相談にも対応し、依頼者の税務上の問題を解決するお手伝いをします。日本の税理士は、独立して事務所を開業することもできますし、企業の経理部門や専門の税務コンサルタントとして働くこともできます。
次に、「税務書類の作成」とは、企業や個人が税務署に提出する必要のある書類を作成することです。「税務書類の作成」は「税務代理」の一部であり、税務代理がより広範なサービスを提供していると言えます。これには、個人の確定申告書や法人の税納税申告書などが含まれています。税理士は、依頼者の利益になるような節税対策を提案し、適切な税額を算出する役割も担っています。また、一方で、法律に従って第三者として適法な行動を促すような規範を持つものとされます。
税理士の試験制度とは?
税理士の試験制度についてご紹介します。税理士は、日本で行われる国家試験の一つであり、税務に関する専門知識を持った士業として活躍しています。税理士の資格を取得するためには、まず試験に合格しなければなりません。では、その試験制度はどのようになっているのでしょうか?
税理士試験は、科目毎に分けて受験できる分、「量」の難易度が高いと言われています。公認会計士の試験にも税務科目はありますが、会社関連の科目もあるため、税務は税理士の試験に比べて狭くなっています。結果、税理士の試験範囲が広く、多くの税法に関する知識が求められるためです。試験科目は「所得税法」、「法人税法」、「消費税法」、「相続税法」など11科目あります。これらの税法科目のうち3つを取得し、これに会計関連の2科目を加えた5科目を合格することによって得ることができます。大学院での学びや税務署に務めることによって一部を置き換えることができますが、10年以上携わって税理士になっている人が多いです。
日本以外とは違う独自の制度
税理士のように、税務の独占業務を持っている国というのは多くありません。他の国では、弁護士や会計士が担っている仕事を日本では税理士が行っていると理解しましょう。