所得税と比較! 住民税に年末調整がない理由

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執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2023年6月2日

2023年8月23日

所得税は年末調整があるのに、住民税はなんで年末調整がないか疑問に感じたことはありませんか? 疑問に感じるのもごもっともです。

これは、所得税と住民税の計算方法の違いが理由です。

今回は、所得税と比較して住民税に年末調整がない理由を考えてみましょう。

おおまかな数字で理解していきます。

所得税の毎月の計算方法

月の給与の額を30万円としましょう。
30万円から、社会保険が引かれます。ここでは簡単に5万円とします。

では、25万円に所得税がかかります。
扶養家族が1人いるとして、4,920円が毎月所得税として引かれます。

これで毎月の所得税の支払いは完了します。
年間の所得税額は、これを12倍して、59,040円です。

所得税の年末調整の考え方

では、年末調整を考えてみましょう。

毎月の所得税は、その月の収入から、源泉徴収税額表という速算表を使ってとりあえず計算していました。
これを正規の内容に変更して計算します。

30万円x12=360万円 に対して所得税を計算すると

360万円 ー 38万円(基礎控除) ー 126万円(給与所得控除) =98万円。これで所得税を計算します。
98万円x5% =6.8万円

ということで、6.8万円が本当の所得税額です。
ということで、68,000円ー59,040円の8,960円を所得税として12月に納めます。

住民税の計算方法

住民税は上記の課税所得98万円を使って計算します。

2023年12月の調整済みの所得によって、2024年6月〜2025年5月までの住民税を確定します。
10%ですので、98万円x10%ということで、9.8万円が住民税です。

このように住民税は所得税のような概算計算を行わいないため、年末に再調整をする必要がありません。

住民税に年末調整がない理由がはっきりさせられると幸いです。

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