インボイス制度をそこまで複雑と感じない

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執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2022年12月23日

2023年4月29日

インボイス制度が2023年10月から始まります。
この準備の話が税務・会計業界では多いです。

わたしも参加しました。
みなさんにとっては、ホットな話題ですし。

ただ、議論はかなり古く2010年代の政府の税制調査会ではすでに話になっております。
実際の導入がされた理由は軽減税率です。

どこかの党の目玉だったのかもしれませんが。
その正当性はさておき、

8%と10%の税率が交じるということは、区別が確実に必要ですね。
結果として、インボイス制度が必要。

こんな論理展開だったのです。

インボイス制度自体はそこまで複雑ではないです。
心配はあまりせずに、顧問税理士やスポットの税理士に相談しておきましょう。

「知らないこと」と「煽りすぎ」

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インボイスを発行できない場合に、しごとから外されるんじゃないか?

インボイスが発行できないからしごとから外されるというのは、ちょっと煽りすぎな感じがします。

逆の立場で考えてみましょう。発注先があって、インボイスを発行できないから、しごとから外しますか?

たぶん、外すまではしないんじゃないでしょうか。
価格の調整はあるかもしれません

テクニカルな話は別の回に譲りますが、消費税をおさめる必要がない人がもらっていた消費税の調整があるので。
だからといって、しごとがなくなるというのは極論な感じです。

消費税関連での圧力も禁止されています。
独占禁止法を使って、価格への圧力を禁止しています。

資本金が1000万円未満同士の取引などは抜けられます。
逆にそれ以外なら、ある程度は気を使ってもらえるものです。

5 取引の停止

 事業者がどの事業者と取引するかは基本的に自由ですが、例えば、取引上の地位が相手方に優越している事業者(買手)が、インボイス制度の実施を契機として、免税事業者である仕入先に対して、一方的に、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような価格など著しく低い取引価格を設定し、不当に不利益を与えることとなる場合であって、これに応じない相手方との取引を停止した場合には、独占禁止法上問題となるおそれがあります。

公正取引委員会「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」2022年3月8日(https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice_qanda.html、2022年12月23日最終閲覧、下線部は筆者)。

複雑に説明しすぎ

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大まかに判定を考えれば、消費税をおさめる義務がある方は、そのままインボイス制度に乗ります。
発行用の番号を取得しておきましょう。

問題は消費税をおさめる義務がない方です。
その場合は、インボイス制度を機会に消費税をおさめるかどうかを検討します。

費用と手間を考えて、利益がそれらを上回っていれば、消費税をおさめるという判断です。
利益が上回る判断なら、結果的には消費税をおさめるという検討をしましょう。

申告の場合は、事務手数料や税理士費用など、追加の費用も判断材料ですね。

非専門の人は、自分の立場で考えれば足りる

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わたしの立場、税理士の立場だと、場合分けがあります。
こんなときは得だとか、こんなときは止めたほうがいいなど。

場合分けをすると少しずつ 少しずつ複雑になってきます。

一方、会計を専門に事業を行ってない方は、それほど複雑ではないです
最大ふたつくらいの判断です。

最大ふたつの場合分け

  • 個人事業主の場合は判断はひとつ。
  • 会社経営の場合も、同様にひとつ。
  • 個人事業主であり、会社経営もしている場合はふたつ。

あまり気負わずに。
着実に対処をしていきましょう。

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