外国へ商品やサービスを提供することは、近年では当然のことです。
今回は、外国へサービスを提供する場合の記帳の基本についてまとめてみます。
売り上げたとき
商品やサービスを販売した場合には、その商品やサービスを販売した日に売上を計上します。
販売した日とは、商品なら引き渡しが基本です。
B2Bなどを想定すると、引き渡して検収した日を基準にします。
もし1,000,000円を売り上げて現金を収受したら、このように処理します。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
9月22日 | 現金 | 1,000,000円 | 売上 | 1,000,000円 | A社 商品販売代 |
お金は後で振り込んでもらう場合にはこのような処理です。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
9月22日 | 売掛金 | 1,000,000円 | 売上 | 1,000,000円 | A社 商品販売代 |
ドル決済の場合
売上が1万ドルの場合はどうでしょうか。
どれかの方法を継続的に使います。
為替相場を調べる
まずは、為替相場を調べましょう。
自分が使っている銀行でいいです。
例えば、三井住友銀行であればこのようにレートをウェブで確認できます。
原則
平日など
このときは、当日のTTMレートを使います。
TTMはTelegraphic Transfer Middle Rateの略で「仲値」のことをいいます。
この日のドルの仲値は147.66円です。
以下のように記帳ができます。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
9月22日 | 売掛金 | 1,476,600円 | 売上 | 1,476,600円 | A社 商品販売代 |
なお、自分のメモとして摘要にドル金額とレートを書いておいてもかまいません。
ここでは省いておきますが。
祝日や土日
もし、取引日が土日祝日でレートがない場合は、確認できる直前まで戻りましょう。
一番直近の分かっているレートを使います。
例えば、9月24日はレートがありませんね。
であれば、戻ってみると、9月22日が一番近いです。
結果としてこのように仕訳をします。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
9月24日 | 売掛金 | 1,476,600円 | 売上 | 1,476,600円 | A社 商品販売代 |
簡便1
毎回毎回確認するのが面倒という場合があるでしょう。
このときは、直前の月や週の初日や末日のレートを使うことも認められています。
法令上は、以下のような表現です。
(1) 取引日の属する月若しくは週の前月若しくは前週の末日又は当月若しくは当週の初日の電信買相場若しくは電信売相場又はこれらの日における電信売買相場の仲値
もっとかみくだくと、以下のいずれかの仲値を使ってもいいです。
- 取引日の月の前月
- 取引日の週の前週
- 取引日の日の月の初日
- 取引日の週の初日
締め日によりますが、この中なら、取引日の前月末日レートなど、使いやすい例として選べます。
9月22日に取引があれば、前月末日は8月末日は8月31日です。
146.20円です。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
9月22日 | 売掛金 | 1,462,000円 | 売上 | 1,462,000円 | A社 商品販売代 |
簡便2
もう一つの簡便方法は、直近の月や週の仲値の平均を使います。
法律的には下記のように書きますが、わかりにくいですね。
(2) 取引日の属する月の前月又は前週の平均相場のように1月以内の一定期間における電信売買相場の仲値、電信買相場又は電信売相場の平均値
このどちらかです。
- 前月の平均仲値
- 前週の平均仲値
週の平均よりも月の平均の方が出ていることが多いので、使いやすいです。
9月22日に取引があれば、前月は8月です。確認をすると、144.85円ですね。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
9月22日 | 売掛金 | 1,448,500円 | 売上 | 1,448,500円 | A社 商品販売代 |
回収時の為替レート変化
回収時の為替レートについても記帳をする必要があります。
記事を更新したら、記載いたします。
まとめ
外貨の取引は、慣れていないととても難しく感じるかもしれません。
しっかりとルールを決めて記帳をしていきましょう。
細かく法律を見たい方は、外貨建会計についての条文も参照できます。