法人の持つ暗号通貨の期末評価における改正提言

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執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2023年8月25日

2023年8月25日

導入:暗号資産税制の課題として

暗号資産のダイナミックな世界は常に進化しており、日本も例外ではありません。
日本の暗号資産税制に対する立場は大きく変わってきており、最新の更新は自由民主党のデジタル社会推進本部のWeb3プロジェクトチーム(Web3PT)から提案されています。

これらの提案された変更と、それが日本の企業にとって何を意味するのかを詳しく見ていきましょう。


暗号資産を保有する企業の現行税制

現状として、日本の企業が暗号資産を保有している場合、会計年度の終了時に未実現の利益に課税されます。
これは、企業が暗号資産から利益を実現していなくても、年末の資産の市場価格に基づいて税金が課されることを意味します。

例えば、100万円で買った、暗号通貨を持っていて売却をしていません。
そして、年末に1億100万円に値上がりをしていました。
このとき、売り払っていませんので、1億円の評価益が出ます。

この1億円に対して、30%の法人税がかかると考えると、3,000万円の法人税がかかります。
しかし、現金収入がないにもかかわらず、この持ち方はどうなのかという疑問がありました。


Web3PTの新たな提案

上記のような未実現の利益に対する法人税に対しての提言があります。

Web3PTは、特に企業に対する暗号資産税制に対して、よりニュアンスのあるアプローチを提案しています。彼らの提案には以下のようなものが含まれています。

提言

  1. 長期取引の免除:企業が他の法人格によって発行された暗号資産を長期取引の目的で保有している場合、これらの資産の年末市場価格の評価を企業税の計算から除外すべき
  2. 暗号間取引の税免除:異なる暗号資産間の取引から生じる利益や損失は課税の対象とすべき

上記は提言段階なので、まだ実現していないことに注意しましょう。


税制と会計ルールの整合性:Web3PTの視点

Web3PTは、さまざまなセクターで税制と会計規則の間に不整合があることを認識しています。しかし、暗号資産の年末市場価格評価の税制と会計ルールが完全に一致しなくても、実際の問題は大きくないと彼らは考えています。

さらに、個々の暗号取引に関する追加の提案も導入されています。

分離申告

個々の暗号資産取引からの利益や損失は、20%の別途申告税の対象とすべきということを提言しています。

予想としては、そのうちFXから生じた損失の通算という話も出てくると予想しています。


結論:日本の暗号資産税制の未来

これらの提案された変更は、特に企業に対する暗号資産税制において、より柔軟で適応的なアプローチを示しています。
暗号資産の風景が続けて進化しますので、税制の情報を得ておきましょう。

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