住宅ローンを組まない人でも住宅ローン控除を受けることは可能なのか?

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執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2023年3月9日

2023年8月23日

住宅の購入には多くの方がローンを利用しています。そこで、日本では住宅ローン控除という税制度があり、一定条件を満たすことで住宅ローンの返済額から一定額が控除されることになります。しかし、この控除を受けるには必ず借り入れが必要です。つまり、「借りなければ受けられない」ということになります。

なぜなのでしょうか? 今回は、住宅ローン控除について詳しく解説していきます。

住宅ローン控除の要件について

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住宅ローン控除を受けるには、一定の要件を満たす必要があります。例として、新築物件の場合を確認してみましょう。

具体的には、住宅を新築または建築後使用されたことのない物件であり、年末時点での住宅ローンの返済残高にあわせて、税金の控除を受けることができます。

  • 個人が住宅ローン等を利用する
  • マイホームの新築、取得または増改築等をする
  • 適用期間中に、自己の居住の用に供する( 執筆現在の制度では、適用期間は「令和4年1月1日から令和7年12月31日」)
  • 入居は取得から6ヶ月以内で、その年12月31日時点でも住み続けている

その結果として、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除する「住宅借入金等特別控除」の適用を受けることができます。

また、注文住宅、分譲住宅、リフォームを行った場合にも適用されます。さらに、2021年度の税制改正により、床面積が40㎡以上の注文住宅や分譲住宅でも控除が認められるようになりました。

注意点として

  • 入居の要件を満たす必要あり
  • さらに住んでいなければ控除は受けられない
  • 40㎡未満の小さな平家建ての場合、控除が受けられない

最近は低金利が続いていましたが、法律に定められた通りに諸条件を満たせば、住宅ローン控除を受けることができます。新築の場合の住宅ローン控除は以下のとおりです。

  • 2023年12月31日までであれば、0.7%の控除を13年間
  • 2024年〜2025年の間であれば、0.7%の控除を10年間

注文住宅や分譲住宅、リフォームが対象となる

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住宅ローン控除は、注文住宅や分譲住宅、リフォームなど、様々な住宅形態に対して適用されます。新築住宅はもちろん、中古住宅でも住宅ローンを借りている場合は利用できます。リフォームの場合は、一定の要件を満たす場合に限り、控除が受けられることがあります。ただし、注文住宅の場合と異なり、中古住宅やリフォームの場合は、満たすべき要件が異なるため、事前に確認が必要です。

控除を見込んで精緻に予算を組む方もいれば、住宅の取得は思わぬ費用がかかることが多いので、安全費用として計上している方も見かけます。

入居の要件と住宅ローン控除の適用

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住宅ローン控除の適用には、入居の要件が不可欠です。例えば、令和4年(2022年)の確定申告で控除の適用を受ける場合、2022年12月までに入居していなければ、住宅ローン控除を受けることはできません。また、新築の場合は入居前に建築確認を受けておく必要があります。今回の改正により、小さな平家建てでも控除の適用が認められるようになりましたが、条件によっては適用外となる場合があります。

住んでいなければ控除が受けられない

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住宅ローン控除を受けるためには、自己居住する必要があります。つまり、住んでいなければ控除を受けることができません。例えば、別に購入した投資用物件や、親御さんに贈呈した物件は控除対象外です。また、一時的に家屋を貸し出したり、空き家状態になっていた場合も、控除は受けられません。

制度の趣旨として、生活に必須である住宅に関して措置を講ずることが目的です。住宅ローン控除を受けたい場合は、自分自身が実際に住宅を所有して、居住することが必要です。特に転勤をする場合は、その点に注意が必要です。一定期間家に住んでいなかった場合も、控除対象外になってしまいます。

小さな平家建てで控除が受けられないことがある

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住宅ローン控除は、年末時点での住宅ローン返済残高に応じて、税金の控除を受けられる制度です。ただし、規定の条件を満たしていない場合は控除が受けられない場合があります。例えば、40㎡未満の家である場合、どんなに控除額が大きくても控除の対象外となってしまいます。

転勤の場合はどうなるか

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転勤の場合には、住宅ローン控除の取り扱いに注意が必要です。基本的に単身の転勤であれば、住宅ローン控除、家族が住み続けて控除を受けますが、詳細な条件を確認する必要があります。

一方、転勤先が海外の場合は受けられないかったのですが、2016年4月1日以降、単身赴任で、家族が住む場合は控除を受けられるよう、制度改正がありました。

また、賃貸に出せば住宅ローン控除は受けられません。加えて、住宅ローンを貸してくれている銀行の理解が必要です。

金利上がりによる逆ザヤと住宅ローン控除の改正

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金利が上がることによって、住宅ローンの諸経費の支払い額が控除額を上回ってしまう可能性が今後が生じています。

2022年12月、日銀が長期金利の変動幅の上限を0.25%から0.5%に引き上げています。昨今の金利低迷から、住宅ローン控除の見直しについて注目が集まっていました。控除率1%だったものが、0.7%に引き下げです。

今後の情報にも注意しながら、マイホーム購入計画を立てることが必要です。

金利上昇傾向でも、決まった法律の通り

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金利が上昇傾向にあっても、この控除は法律によって決まっていますので、急に引き上げるわけではありません。要望から戻る可能性はあっても、すぐに1%に戻ることはないので、自分がマイホームをほしい時期をちゃんと決めておきましょう。

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