2023年度の税制大綱の骨子を理解しよう

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執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2022年12月19日

2023年8月23日

2023年度税制大綱が2022年12月16日に発表されました。

これが法律に反映されてやっと最終的に納税時の指針になります。
法律にどう反映されるかでちょっと変わってきますね。

反映を待つうちに、どういう論点が出たかかんたんに理解をしておきましょう。
時間がない方は、こちらの四角枠だけを読んでください。

超まとめ

  1. NISAの枠拡大
  2. 贈与の相続参入3年→7年
  3. 教育資金、結婚資金の非課税枠がそのうち廃止
  4. インボイス制度・電子帳簿保存法の骨抜き化
  5. 将来的な増税(法人税、たばこ税)

中心的な改正予定

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NISAの関連、スタートアップの再投資、研究開発費ポスドクの採用が挙げられています。
投資をしている人はNISAが大きなところかもしれません。

意外と使い勝手が悪いので、やっていない人も多いかもです。
公務員用?なんという感じも受けます。

ざっくりまとめ

  1. NISA
    • つみたてNISAの枠 40万円/年 → 120万円[上限800万円→ 1,200万円]
    • 一般NISA枠 120万円 → 240万円[上限600万円→1,200万円]
  2. スタートアップの再投資で、株式譲渡益に課税しない(20億円まで)
  3. 研究開発制度
    • 研究開発税制、控除率の下限を引き下げ、増加によるメリット上げ、カーブの傾きを上げる
  4. ポスドク採用の費用を、試験研究費に別枠の控除に

国際関連・グリーン関連の改正

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国際関連での税制課税と環境関連があります。
車両関連の減税は具体的ですが、国際課税ルールなどはもう少し具体化を待つのと他の国との協調となります。

ざっくりまとめ

  1. 国際課税ルールで、課税権の国家間の取り合いと法人税の引き下げ競争の歯止め化
  2. プラットフォームへの課税の検討(非具体的)
  3. 経済とカーボンニュートラルの実現(非具体的)
  4. 車体課税、2035年までに新車の電動率100%を目指す政府目標と整合性、
    • 自動車重量税のエコカー減税 燃費金を引き上げた上で適用期間を3年間延長
    • 自動車税・軽自動車税の環境性能割 燃費基準の見直し
    • グリーン化特例、3年間延長
  5. 森林環境税・森林環境譲渡税
    • 地球温暖化防止・災害防止の維持増進のために創設され、2024年度から課税開始

中小企業や地域関連の改正

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中小企業の特例、酒税、災害関連などがあります。
一般の人がみて、感じるものはあまりないかなと。

「ふ〜ん」くらいで流してください。

ざっくりまとめ

  1. 中小企業税制 2年延長維持
    1. 軽減税率の特例
    2. 中小企業投資促進税制
    3. 中小企業経営強化税制
  2. 酒税見直し
    1. 多様化する国内外のニーズ、
    2. 酒類業の発展に寄与する中小事業者に、新たな酒税の軽減措置
    3. 原稿の特例措置を廃止し、経過措置を
  3. 災害へのきめ細やかな対応
    1. 個人所得における雑損失・純損失 3年→5年
    2. 相続時精算課税制度の評価、固定→災害時に下げる
  4. IR
    • 2022年の指針の通り法制化
  5. 屋外分煙施設等
    • 地方たばこ税の活用を含め、駅前・商店街の分煙化の整備を促す

中立的な税への改正

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高額納税者の所得に追加の課税、相続関連です。

白色申告に対応するため、青色申告制度の特例見直しを今後していくのかなと。
ここは、個人事業主で気になる方がいらっしゃるかもしれません。

相続関連ので、贈与の範囲は影響が大きそうです。

また、教育資金や結婚資金の非課税措置はつくったはいいが、お金持ちの節税ばかりだったようで、期限が切られています。

ざっくりまとめ

  1. 個人
    1. x株式、土地、給与、事業所得などの合計が3.3億円を超える場合に、2025年から追加の課税
    1. 控除の見直しの継続(給与所得控除・公的年金等控除・基礎控除など、2020年から引き続き
    2. 私的年金等(iDeCoの加入年齢を70歳まで上げる検討
    1. 複式簿記などが3割。引き上げるため青色申告制度の見直しの検討
  2. 相続関連
    1. 相続し精算課税使い勝手向上
    2. 死亡前の贈与3年→7年へ相続財産
    3. 贈与税の非課税措置の公平化(教育資金の贈与は3年延長するが、その先は不明。結婚子育ては節税につながらないようにした上で2年延長
  3. 外形標準課税

納税環境の改正

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骨抜き感が強いインボイス制度、電子帳簿保存法。
この辺りは別途まとめたいなと。

旅行客が消費税なしでものを買って横流ししていた件が問題になって、免税制度の見直しがあります。
マンションの評価適正化は、判例が出ていることを踏まえているのかなと。

ざっくりまとめ

  1. インボイス制度
  2. 電子帳簿保存法
  3. 税務手続きのデジタル化、キャッシュレス化
  4. 旅行客の免税制度の悪用など
  5. マンション評価の適正化(市場価格との乖離の実態を踏まえ、適正化を検討

防衛力強化の改正

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2024年度以降、2027年度に向けての増税の話ですね。

法人税が増える点について、こんなイメージになります。
中小企業を例にしています。
余剰金を当てるべきか議論がありました。
あまり経済成長を政府は望んでいないのかもしれません。。。

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復興税を下げて防衛予算に当てる件は、納得いかない人も多いでしょう。
もともと復興時も国債でまかなう議論をどさくさ増税しているので、そこをまたいじるのはどうなのでしょうか。

増税関連は議論の行方を見守りたいところです。

タバコはことあるごとに税金があがりますし、今後もそうです。
諸外国は2千円を有に超えています。
それから見れば、安いんだと。課税できると思われています。
また、反対意見が出にくいので、やり玉にあがります。

ざっくりまとめ

  1. 法人税+4~4.5%(中小企業は500万円の課税標準からの控除
  2. 所得税:復興法人税をつけかえて防衛費に当てる
  3. たばこ税 3円/本上げる

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