近年、日本の中小企業によるM&Aが増加しています。高齢化による後継者不足や新型コロナ禍による経営環境の変化などが原因で、多くの企業がM&Aに踏み切っています。今回は、M&Aの増加背景について詳しく調べてみました。小規模なM&Aの現状や今後の展望に関して、皆さんにお届けします。
小規模M&Aの増加傾向とその背景
小規模なM&A市場において、現在、日本国内ではどのような実態が考えられるでしょうか。近年、M&Aの件数は増加傾向にあり、特に中小企業のM&Aが注目を集めています。
後継者不在などの問題を抱える中小企業が増え、事業の承継にあたってM&Aが積極的に活用されるようになっているからです。 M&Aによって、後継者不在でも事業を継続することが一つの目的です。
また、対象の事業範囲を整理することができます。よって、企業の価値を高めることもできます。現金収入としての出口にもなるため、多くの企業がM&Aに関心を持ち、市場は拡大の傾向にあります。
また、M&Aを行う企業は大企業が中心でした。しかし、中小企業も参加するようになってきています。ひとつの障壁はとても高い仲介手数料なのですが、弊事務所では、小規模なM&A市場に注力する上で、リーズナブルな仲介手数料におさめています。
実際、公表されているM&A実施件数を見ると、中小企業による中小M&Aが大きく増加しています。また、中小企業庁の調査によると中小M&Aの譲渡価格は2000万円以下が過半を超え、譲受側の企業規模では、資本金1億円以下の中小企業が大半を占めています。このように、小規模M&A市場は今後も伸びることが予測されます。
赤い数字は事業承継・引き継ぎセンター、青は中小企業M&Aの大手(日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ、オンデック、名南M&A)の実績数値です。どちらも件数が増えています。
中小企業庁『「中小M&A推進計画」の主な取組状況~補足資料~』(2022年6月21日)、2頁より。
背景にある要因
日本において経営者の後継者不足が進んでいることは、中小企業をはじめとする多くの企業にとって深刻な問題となっています。2025年には70歳以上の経営者が約245万人に達し、半数以上の127万人が後継者が未定とされている状況です。業種を問わず後継者不足問題は顕在化しており、国内企業の65.1%に後継者不在という状況です。加えて、後継者の見つからない企業は、たとえ利益を上げていても存続が危ぶまれます。
帝国データバンク㈱『特別企画:全国企業「後継者不在率」動向調査(2020 年)後継者不在率、2011 年以降で最低を更新
全国で 65.1%、3 年連続で低下』より。
そこにM&Aが注目されています。M&Aによる事業承継は、後継者不足問題を解決する策として有効であることが指摘されています。M&Aにより企業買収や業務提携を行うことで、企業活動の継続や新たな事業展開が可能となります。国による仲介手数料などの補助も使えます。
M&Aにより、競合他社との差別化を図り、新たなビジネスチャンスを生み出すこともできます。
後継者不足問題は中小企業のみならず、日本経済全体にとっても深刻な問題です。そのため、M&Aなどの事業承継に積極的に取り組んでいくことが求められます。最近では、販売側よりも購入側が選択できる立場になっています。
成長が期待される小規模M&A市場
小規模M&A市場は現在、日本で注目されている市場です。この市場の現状を把握するために、まずはM&Aの件数を見てみましょう。M&A市場の件数は、全体において増加傾向にあります。
特に小規模M&A市場においては、その増加傾向は顕著です。これは、後継者不足や競合他社との差別化、新しいビジネスチャンスの創出といった背景があると考えられます。
というのも、日本の社長で多い年齢は70歳代なのです。
中小企業庁『第2部 深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命』より(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/h30/html/b2_6_1_2.html 、2023年6月14日最終確認)。
今後の継続化は、家族への相続ですが、ビジネスをすでに別に持っていたり40代の子の引き継ぎがうまくいかないなど、要因が考えられます。
小規模M&A市場の仲介
弊事務所では、小規模のM&Aのの仲介業務を行っています。ご相談や専属契約なども受け付けておりますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。