電子帳簿保存法について聞かれることが増えています。この法律で、細かいところまで決められているためきちんと対応しなければ法令遵守ができないから、しっかりと検討をする必要があります。
しかし、検索要件として出てくる検索機能を考えるたびに感じるのは、「WindowsやMacのパソコンを想定して仕組みを作ればよかったのに」です。
作成段階で、Windowsでできるかどうか分かっていたはず
日本のビジネス現場では、Windowsをおおよそ使っています。それは、税務調査をしていれば、国税庁の方もよく分かっていたはずです。
そして、検索要件は以下の通りです。
- 日付、取引先、金額で単純検索できること
- 日付や金額は範囲検索できること
- 上記1と2の複合検索ができること
範囲検索や複合検索を法律で求めるのはいいのですが、決めることだけ決めて後は現場の人でどうにかしてね、ソフトウェアを新しく入れたらできるね、というのは無責任な感じがします。
法律家や役所の人は入っているでしょうが、実務家としっかり検討したのでしょうか。したとしても、反映されていないのではないでしょうか。
立法者の現場よりの方は気づいていたはず
このように、対応方法が後付で検討されるのはいくつか理由が考えられます。
まずは、法律の考え方自体がITを主ではなく副次的な要素と考えている点です。以前のブログでも説明をいたしました。この考える順番であれば、現場の方が法律施行でどう対応しなければならないかを考えたとしても、その意見を重用しなかった可能性があります。
IT関連の視線が法律を組み立てるにおいて重要視されないのはしょうがいないです。しかしながら、今回は税法と現場のIT対応が半々で活かされないといけない場面でした。ここで無視するのは、悪手です。
法律を守らせるものと考えているのか
法律の成り立ちを大陸法と英米法とに分けることがあります。日本は大陸法の考えが強いです。大陸法は、理念を作って法体系を形作っていくものです。
現場のボトムアップで後々法律に対応しにくいものですし、電子帳簿保存法で判例が出るものでもないでしょうから、どうにか法律を守ってくれというレベルだったのでしょう。
ヘルメットのように努力義務にすればそれほどの混乱がなかった気がします。しかし、データ保存について、努力義務ではなく、義務があるため、後々の反発が大きかったのかなと感じます。
少し批判気味な文章かもしれませんので、注釈すれば、電子帳簿保存法自体は、よく考えられた法律になっていると読んでいます。一般の方には読みにくいかもしれませんけど。そして、諸外国はそこまで厳密に検索要件を定めていないよう様子です。他の国に合わせて法律を作る必要があるわけではないので、ここもかまいません。
しかし、現場との紐づけにはもうひと工夫あった方がよかったと感じます。
今は対応へ
守りにくいとか守りやすいという議論は今更な感じはあります。一般の方は、そういう話があるならもっと早めに対応しておいてくれと考えるかもしれません。
残念ながら、インボイス制度同様にすでに、制度設計について議論しているフェーズが過ぎています。そして、どのように守るか現場で考えるフェーズが今です。専門家として関わる場面で色々と悩ましいところです。
セミナーを担当させてもらったり商品を紹介させてもらったりという場面で、具体的なお役に私も立てればと考えています。
【編集後記】
電子帳簿保存法関連のご依頼もよく受けます。
施行されているので、上記の議論よりもどう遵守していくかの話がこれからの主なんだと考えます。
【運動記録】
ストレッチ○
【子育て日記(6歳・2歳)】
一緒にピアノを。最近のピアノの先生は優しいなと、自分の頃と比べて感じます。