家族滞在ビザを持つ外国人のリモートワーク: 日本の法律と税金のガイド

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執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2023年5月12日

2023年8月23日

リモートワーク、テレワーク、在宅勤務…どの言葉を使っても、今や働き方のトレンドとして急速に定着している働き方です。世界中で企業や個人が、柔軟で効率的な働き方を求める中、国境を越えて働く機会も増えてきました。しかし、外国人として日本で働く際には、ビザや税金などの法的な問題に直面することもあるでしょう。

家族滞在ビザ(dependent VISA)を持つ外国人が日本でリモートワークをする場合、どんな法律や税金の制度があるのか、そしてどのような手続きが必要なのでしょうか?この記事では、家族滞在ビザを持つ外国人のリモートワークに関する日本の法律や税金について分かりやすく解説していきます。なお、場合によっては当てはまらないことがあることもご了承ください。リモートワークライフをもっと充実したものにするためのカギとなる情報が詰まっていますので、ぜひ最後までお読みくださいね。

ビザ(家族ビザ)外国人のリモートワークとは?

依存ビザ(家族ビザ)を持つ外国人が日本で外国企業へリモートワークを行う場合、いくつかの法律や税金に関する注意点があります。リモートワークは、コンピューターやインターネットを利用して自宅やカフェなどから仕事をすることができる柔軟な働き方ですが、外国人が日本で行う場合には、適切な在留資格と税金の対応が求められます。

家族滞在ビザを持つ外国人が日本国内でリモートワークを行う場合、働く対象となる会社が日本国内にあるか、あるいは日本国外にあるかに関わらず、適切な就労ビザが必要となります。週28時間というキーワードがこの線引において出てきます。

仮に外国籍の者が日本国内で週28時間超を働く場合、就労を許可する適切な在留資格が必要であることから、リモートワークもその例外ではありません。もし、リモートワークが認められてしまうと、会社がどこにあってもどんな収入であっても働くことができることになります。理論的に、海外勤務の外国人もすべて日本に来ることが可能になります。しかし、現行の法律によれば、在留資格の取り消しや罰則の対象となる可能性がありますので、注意が必要です。

また、家族滞在ビザで来日・滞在中の外国人が日本国内でリモートワークを行って収入を得る場合には、日本の税法に従って所得税を納める必要があります。所得税は、居住者・非居住者(永住者・非永住者)によって変わります。二重課税になれば、租税条約に従って還付されることがあります。しかし、納税義務があれば申告義務もあるのです。

例:アメリカ所在の企業のリモートワークで得た収入に日本の所得税はかかるか

アメリカに拠点を置く企業からリモートワークで収入を得た場合、日本の所得税が適用されるかどうかは、個々の状況により異なります。税金の支払いに関しては、居住地と所得発生地の税制度や、各国間の租税条約に基づいて決まります。アメリカ在住だが日本企業から業務委託契約で収入を得る外国人労働者のリモートワークにおける税務処理には注意が必要です。

まず、原則として居住者の所得はその居住国で課税されるとされています。つまり、アメリカに住んでいる場合、リモートワークで仕事をして得た収入はアメリカで課税されることになります。しかし、リモートワークにおける税務処理は実際にはもっと複雑であり、例外があります。仮に日本企業から収入を得ていても、契約期間や仕事の内容などによっては、アメリカで確定申告が必要になることがあります。

また、日本とアメリカは租税条約を結んでおり、所得が二重課税されるのを防ぐためのルールが定められています。この場合、日本の法人がアメリカに住む外国人労働者に支払う報酬に対して、日本の源泉徴収税が適用されないことがあります。ただしこの免除には条件があり、労働者がアメリカに180日以上居住していることや、アメリカで課税されることが前提となります。

さらに、国際租税法の規定により、税金が重複して課税される場合がありますが、国際租税法で定められた租税条約(日米租税条約など)を利用することで、重複課税を回避し、税負担を軽減することができます。具体的には、受け取った所得に対して、アメリカで支払った税金を日本の税金から控除することができます。この場合、所得に対する日本の税率と、アメリカで支払った税金の差額が、日本で納めるべき税金となります。

また、その所得がアメリカの所得であるとした場合、日本で税金を納めるかどうかは、住者・非居住者(永住者・非永住者)によって変わります非永住者は、日本国籍意外で過去10年間の間に日本に5年以下の滞在である場合をいいます。この場合は、日本国外の所得を申告する必要はありません。逆に、5年超であれば、必要があるのです。

外国で受け取った給料についての源泉所得税と住民税

外国で働き、給料を受け取る日本人個人にとって、所得税や住民税の取り扱いは重要な問題です。特に、リモートワークが一般化する現代では、国境を越えた働き方が増えており、税金の問題も複雑化しています。日本人が外国で生活しながら日本の企業と業務委託契約を結んでリモートワークを行う場合、所得税は基本的に居住国で課税されます。ですので、日本での所得に対して日本の税金は基本的に発生しません。ただし、永住者であって納税義務があれば申告が必要です。申告の結果二重課税が排除されて、その上で日本での税金が発生しないように計算されるのです。

ただし、例外的に日本での所得税が発生する場合もあります。具体的な仕事の内容によっては、日本で源泉所得税や住民税が発生することがあります。例えば、アメリカで雇用された日本人がその報酬をアメリカで受け取りながら、一部の業務を日本で遂行する場合、日本での業務に対する報酬には源泉所得税や住民税が適用されることがあります。そのため、リモートワークを行う場合には、所得の源泉徴収や住民税の適用に注意する必要があるでしょう。

リモートワークに関する税金の問題は、国によって異なる税制や法律が存在するため、専門家のアドバイスを受けることが大切です。

外国人の確定申告手続きと日本の税務署

実際のところ税務申告を日本で行っている外国人は少ないと言われています。国際的な課税問題や税法に関する知識が必要とされるため、専門的なサポートが求められることが多いです。また、母国の会社が源泉徴収を行わずに給料を支払っている場合、日本での確定申告を行うことで、日本と母国の両国で同時に税金を支払うことが生じることがあります。

日本で働く外国人にとって、確定申告手続きは非常に重要なプロセスです。正しい手続きを踏むことで、収入に対する税金の支払いが適切になされるため、将来的なトラブルを防ぐことができます。リモートワークによる外国人の急増に伴い、日本の税法への適用や課税対象に関する問題が多発し始めています。

このように、依存ビザ(家族滞在ビザ)を持つ外国人が日本国内で外国の企業に勤めることには、法律や税金に関する様々な問題が生じる可能性があります。リモートワークを行う際には、その国や地域の法律や税金に関するルールを把握し、適切な手続きや対応を行うことが重要です。

外国人が日本の税務署に確定申告を行う場合、通常、確定申告書の書き方や所定の手続きは日本語で行われることが多いです。しかし、最近では、英語での申告書や手続きガイドも増えてきており、外国人にも無理なく申告が可能になってきています。また、税務署によっては、外国国籍者の確定申告に対応した担当窓口や、案内書類が用意されている場合もありますので、確認しておくと安心です。さらに、外国人向けの専門家や税理士に相談することも検討してください。

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