日本の中小企業が抱える後継者不足問題に対応するため、M&A(事業承継型の譲渡)が増加しています。しかし、M&Aが増えるに連れ、トラブルも発生しやすくなっているのが現状です。マイクロM&Aを取り扱っている弊事務所でも気になるところです。
本記事では、中小企業向けM&Aにおけるトラブルの背景と対策について説明します。
中小M&Aガイドラインの策定と改訂
中小企業庁は、2015年に「事業引継ぎガイドライン」を策定し、2020年には第2版が改訂されました。目的は、後継者不在の中小企業の円滑なM&Aを支援することです。ガイドラインでは、手続きや利用者の役割、トラブル発生時の対応が示されています。
ガイドライン改訂の背景
中小企業向けM&A市場の拡大に伴い、専門業者の増加と契約内容の不透明さが課題となっています。これに対し、第2版では、手数料の基準や報酬額の目安を明記し、契約の透明性を高めるための施策が追加されました。
第3版の改訂内容
2024年8月には第3版が発行され、さらにガイドラインが強化されました。以下のポイントが追加されています:
- 業務内容と手数料の確認事項の充実:M&A仲介者が提供するサービスの具体的な内容と料金体系を明確にし、潜在的なトラブルを防ぐことを目的としています。
- リスク説明の追加:契約におけるリスク情報を明示することで、将来のトラブルを未然に防ぐ措置が強化されました。
- 契約上のトラブル対応策:契約内容の不明瞭さ、履行の遅延や不履行、秘密保持違反など、よくあるトラブルについての具体的な対応策が示されています。
M&A支援機関登録制度
2021年4月に開始された「中小M&A推進計画」に基づき、M&A支援機関登録制度が導入されました。この制度では、登録希望の支援機関にガイドラインの遵守を求め、登録機関のデータベースを通じて信頼できる仲介者・FAを選べるよう支援します。
弊事務所も、せんむすび合同会社としてM&A支援機関に登録しており、安全かつ透明性の高いM&Aサポートを提供しております。
まとめ
中小企業にとってM&Aは重要な事業承継手段ですが、増加するM&A取引に伴い、様々なトラブルも発生しています。ガイドラインの活用や信頼できる支援機関の選定を通じて、安心できる事業承継の実現を目指しましょう。
お困りの際は、弊事務所にぜひお問い合わせください。