【一般の方向け】2024年の税金の改正予定まとめ

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執筆者小嶋 晃弘

◆国際基督教大学卒、大阪府立大学大学院経済学研究科修了。税理士、MBA、宅地建物取引士。国際営業、経理、労務、採用、人事、IT管理など幅広い分野での実務経験があります。 ◆税理士の顧問サービスの他、企業オーナーや個人事業主に対して資産運用コンサルティングや税務サポートを提供。金融教育の重要性を感じ、税務関連の執筆活動にも取り組んでおり、税務に関する書籍や記事を執筆しています。 ◆プライベートでは、2人の男の子の父。趣味は水泳、読書、カメラ、アニメで、休日には息子たちと一緒に自然を楽しんでいます。

2023年12月15日

2023年12月16日

税金を専門としない一般の方向けに、自民党・公明党から出ている税金の法律の改正の予定をまとめてみます。
専門的には、これは税制改正大綱と呼ばれています。
今回の分は、2024年の法律変更の方針です。

税金は人の行動へ影響を与えます。
改正予定を理解することによって、 今急いだほうがいいのか、それとも待った方が良いのか、変わらないのか間理解できます。

まとめるに当たっては、以下の区分で考えます。

  • 個人向け
  • 会社の方向け
  • その他(免税店など)

できる限りおおまかな流れが分かるようにいたします。

全体方針として

作成方針は、「デフレ社会に慣れた中で見舞われた物価高に対応して、物価上昇を上回る賃金上昇の実現を最優先課題」としています。

上記の下では、所得税や個人住民税を一定額、減らしたり、可処分所得を伸ばすために賃上げ促進の税制を設ける予定になっています。

なお、2022年度に話題になった、防衛増税については先送りです。加熱式たばこの税を3円/本まで上げて、とりあえずの財源に当てています。タバコ増税は、健康目的場反対されにくいので、このようになっています。

では、細かく内容を見ていきましょう。

個人向け

定額減税

個人で大きなものは定額減税です。
納税者と扶養家族ひとりにつき、2024年度分の所得税の3万円減、住民税の1万円減を予定しています。

2024年6月以降の源泉所得税の徴収から3万円を引いていく形で調整をします。
引ききれなければ次の源泉所得税の徴収にその調整を繰り返します。

源泉所得税の形は、サラリーマンがぜんぜん見ていないものの一つです。
減税をしたとしても、その恩恵を感じずに銀行口座が少し増えて終わりな気がします。

もし、個人事業主が7月に所得税を収める場合には、その所得税の納付から3万円を差し引きます。こちらも控除額が残っていれば、11月分からさらに差し引きます。

子育て支援

住宅ローンの拡大

新築の認定住宅について、500万円、ZEH適合に打ちて1000万円の借入限度額の上乗せ措置をするとなっています。結果以下の通りです。

住宅の区分借入限度額
認定住宅5,000万円
ZEH水準省エネ住宅4,500万円
省エネ基準適合住宅4,000万円

これがどこまで有効化は疑問です。適合させるために、素材を上げたり検査をしないといけないので、損はしませんが、支出は増えます。

なお、子育てをしているとこの率が変わります。

住宅の区分借入限度額
認定住宅5,000万円
ZEH水準省エネ住宅5,000万円
省エネ基準適合住宅5,000万円

また、新築の床面積算入が40m2以上でも、ローン控除の適用となります。
これは、駅チカであれば、小さくてもニーズがあるという判断からです。

新築で40m2というのは、都市部に限定した需要のような気もしますが。

リフォーム税制

子育て家族が、対面キッチンなどのリフォームをした場合250万円を限度ですが、その10%の所得控除を予定しています。

生命保険料控除

23歳未満の扶養親族を有する場合、今の4万円の新生命保険控除に対して、2万円を上乗せします。
しかし、なぜか一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の控除の合計額の限度額は12万円から変更になりません。

使い勝手は悪そうです。

扶養控除の見直し

高校生へも児童手当が出るようになります。

これにともない、扶養控除が減ります。
これまでは38万円の国税、33万円の地方税の控除だったものを、それぞれ25万円、12万円に減らします。

児童手当が出ても、結局このように調整されると帳消しになってしまいます。
二重取りが良くないのであれば、そもそもなぜ児童手当の拡充をしたのでしょうか。

財源が違うのかもしれませんが、一般の方には分かりにくいでしょう。

暗号通貨の情報交換

暗号通貨の課税漏れの観点から、租税条約に基づいて海外の各所と自動連係をすることとなります。非居住者の暗号資産に関する取引を、国内のプラットフォーマーに報告義務付けることとします。

申告漏れの観点が気になります。

プラットフォーマーへ消費税の徴収

海外のプラットフォーマーを経由して日本国内でサービスを提供する場合があります。
この場合、消費税を収めるべきものが漏れていることがあります。

プラットフォーマーへこの消費税の徴収を義務化させて、課税の公平性を図る予定です。

会社の方向け

賃上げ促進税制の強化

給与総額を前年度から7%以上増やした大企業向けの税優遇枠を創設する。子育て支援に積極的な企業などの優遇を拡大し、給与の増額分の最大35%を法人税から差し引く

中小企業だと赤字の法人が60%と多いので、控除の繰越を使って対応をしていく予定です。

合併や事業譲渡の優遇

複数のM&Aを行う場合には、積立率を70%を100%にし、据置期間を5年から10年へ延長して、雇用の確保を充実させます。

AI投資関連

企業が日本で自ら行った研究開発の特許権やAIbンやのソフトウェアに関する著作権について、30%の所得控除を設けます。

これによって、法人税の7%優遇ができ、おおよそ20%まで法人税が引き下がることになります。イノベーションボックス税制と呼ばれます。

スタートアップの出口戦略

事業展開をスムーズにするために、現行の3倍となる、現行の3倍となる、3,600万円まで、ストックオプション税制の年間の権利行使価額の上限を上げる。

高度人材要件の見直し

外国人の在留資格の高度人材の要件が見直しになります。

例えば、加わったものとして、以下のものが挙げられます。この他にも4つ新たなものがあります。

  • 教授及び准教授
  • 上場会社の重要な使用人(3年を1年に短縮)

在留資格を取りやすくなるでしょう。

その他特記

森林環境税・森林環境贈与税

温暖化防止などの観点から2024年から、徴収されます。具体的には、「森林環境税」は、2024年度から、個人住民税に、国税として1人年額1,000円が加算されます。

また、「森林環境譲与税」は、市町村による森林整備の財源として、2019年度から、市町村と都道府県に対して、私有林人工林面積、林業就業者数及び人口による客観的な基準で按分して譲与されています。

eLTAXの活用

行政のデジタル化を測るため、eLTAXやマイナポータルを通じた納税が進められるように促す。

免税店の改正

免税で購入された商品を、観光客が国外へ持ち出さず、国内で不正に転売するなどの話が出ています。
これに対応して、これまで購入時に免除されていた消費税を、2025年以降、出国時に消費税を還付する形に変更になる予定です。

なお、2024年においては、変更はされないものの、不正が発覚した場合は免税店に対してその分の控除を認めないという大作を取ります。

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